歯痛について
歯以外に原因がある歯の痛み
歯の痛みには、ムシ歯や歯周病が原因のものと、それ以外に原因があるものがあります。ムシ歯や歯周病以外の原因には、首肩のコリ、頭痛、三叉神経痛(顔面の感覚をつかさどる神経の痛み)などがあります。
原因がわからない歯の痛み
それらのどれにも当てはまらず、原因のわからない歯の痛みを「非定型歯痛」といいます。検査をしても原因がわからない非定型歯痛は、ストレスが原因といわれています。これは、ストレスによって脳内の神経のネットワークが乱れてしまうためと考えられています。
このように歯医者に行って治療を受けても治らない、原因もわからないといった場合、あちこちの歯医者を次々と受診したり、神経ブロックや、「歯を抜いてしまえば痛みは治るんじゃないか」という思いから抜歯などを希望する方がいるようです。
歯の痛みは、とてもツライものですから気持ちはわかりますが、どこも悪くない健康な歯を抜いてしまうのはもったいないです。第一、歯に原因はないのですから、歯を抜いても痛みは治まりません。歯や歯ぐきには問題がないという歯科の先生の言葉を信じて、歯科以外の病院を受診してみてください。
歯痛の鍼灸治療
東洋医学では、歯は骨の余りであるといいます。骨は、腎によって管理されています。腎には、寿命など生命に関するエネルギーが貯蔵されていますから、歳をとると骨粗鬆症など骨が弱くなるのは、腎が衰えてくるからです。お年寄りに入れ歯が多いのも、骨の余りである歯が弱くなって抜けてしまうからです。
杏の樹鍼灸治療院の歯痛の症例の一部をご紹介します。
85歳 女性
こちらの方は、ご高齢のため歯は無いのですが、右の歯が痛いということで来院されました。歯の痛みと同時に肩コリもお持ちの方で、来院された時も10日ほど前から歯の痛みと肩のコリがあるとのことでしたので、両方の施術を行ったところ1回の施術で歯の痛みは無くなりました。
83歳 女性
こちらの方もご高齢のため歯は無く、歯茎が痛いとのことでした。この方は約1年前からの痛みで、その間歯科医院に何軒か通いましたが改善されず、当時通われていた歯科医院の紹介状を持って来院されました。
お話を聞くと、ご主人が亡くなった後から色々な症状が現れ始めていることから、この方の場合はストレスが原因の歯痛と考え施術を行いました。週に2〜3回くらいの施術で改善がみられたのですが、歯の痛みが改善されると足の痛みを訴えられ、足の施術を行い足の痛みが改善されると、また歯の痛みが現れるといったような感じで、精神的なショックが大きく完治が難しい症例です。
最初の例は肩こりが原因、後の例はストレスが原因の例で、ストレスが原因の歯痛はご本人の心の問題なので、受けたストレスの大きさによっては改善が難しい場合もあります。
上の例は、どちらも高齢者の方ですが、この症状は高齢者が多いというわけではなく、30代、40代の方もいらっしゃいます。
歯痛でよく使われるツボ
このツボは「下関」(げかん)といって、頬骨と耳の間の骨の下側にあるツボです。
このツボに、上の歯が痛むのか、下の歯が痛むのかによって手や足のツボを使ったりします。