頻尿について

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さっきトイレに行ったばかりなのに、また行きたくなった、夜中に何回もトイレに起きる、そんな人は頻尿の可能性があります。

頻尿は、何かの病気の症状として現れる場合と、精神的な問題で現れる場合や、加齢によるものがあります。

精神的な問題による頻尿は、緊張すると何回もトイレに行きたくなったり、トイレに行っておかないと、漏らしてしまうかもしれないと不安になったりしてなる頻尿で、神経性頻尿といいます。

病気が原因の頻尿は、元になっている病気が治れば、ほとんんどの場合治まります。神経性頻尿の場合は、心理的にトイレのことを考えただけで行きたくなってしまうようになっているので、時間をかけて治療して行く必要があります。

頻尿の症状がある主な病気には、膀胱炎、尿道炎、前立腺炎、前立腺肥大症、糖尿病などがあります。他に、女性の場合は妊娠中に胎児に、男性の場合は前立腺肥大症で膀胱が圧迫されると尿の出が悪くなって、1回の尿の量が少なくなるので何度もトイレに行きたくなります。

1日に作られる尿の量は決まっています。そして、膀胱に溜めておける尿の量も決まっています。膀胱は、尿が溜まってくると引き伸ばされて、ある程度の量になると尿意を感じるようになっています。

膀胱炎や尿道炎のように、おしっこが流れる途中のどこかに炎症があると、その炎症の刺激と膀胱が伸びた刺激を脳が勘違いをして尿意を感じます。特に女性は男性に比べて尿道と肛門が近いので、大腸菌などの細菌による膀胱炎や尿道炎になりやすくなっています。

女性は、冷え症が多い、尿道が短い、月経の際に自律神経が乱れやすくなるなどの理由で、頻尿になりやすい傾向にあります。

糖尿病はのどが渇くので、水分をたくさん補給します。水分をたくさん摂ると、その分腎臓でたくさん尿が作られるので頻尿になります。

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頻尿の鍼灸治療

糖尿病や膀胱炎など病気が原因になっている場合は、元になっている病気を治すことで頻尿は改善されます。神経性頻尿では、過去の体験が原因となって、その不安感から頻尿になっている場合があるので、治療以外に専門医によるカウンセリングも必要になってきます。

鍼灸治療では、自律神経の乱れなどから膀胱の働きが活発になる「過活動膀胱」や、冷え症による頻尿が改善された例があります。

鍼やお灸の刺激で自律神経を整えて、膀胱の働きを正常にすることで頻尿の症状を改善していきます。

膀胱のトラブルによく使われるツボ

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「中極」(ちゅうきょく)は、おへそから指6本くらい下がったところ、「膀胱兪」(ぼうこうゆ)は、お尻の中心から指3本くらい外側で中極の裏側くらいの高さにあり、どちらも膀胱のツボです。

「腎兪」(じんゆ)は、腰の骨から指3本くらい外側でおへその裏側くらいの高さ、「太谿」(たいけい)は、内くるぶしとアキレス腱の間にあり、どちらも腎臓のツボです。

陽の経絡の膀胱と、陰の経絡の腎臓は、表と裏のような関係で影響し合っています。ですから、膀胱の治療をするときは、腎臓のツボも合わせて使うとより高い効果を得ることができます。

おへその下にある「気海」(きかい)というツボは、気の海という名前からわかるように、このツボにお灸をすると気を補うことができます。