腰痛について 

youtu.jpg 腰痛は日本人の8割以上が経験しているといわれており、肩こりと並んで日本人に最も多い症状の一つです。

肩こりは、酷いと頭痛や吐き気をともなうこともあり、腰痛はかがめない、靴下を履けないなどどちらもツライですよね。特に腰はカラダの”要”ですから、腰が痛いと動くこともできない場合があります。

腰痛は、腰自体に原因があるものと、ストレスや他の病気が原因のものがあります。治療は原因によって違いますから、腰痛になったら病院で検査を受けて原因を調べてから治療法を決めましょう。

腰に原因がある腰痛

上に書いたように腰痛には、腰自体に原因があって痛みが出るものと、病気やストレスが原因で出るものがあります。ここでは、腰自体が原因で起こる腰痛について、腰のどこがどうなると痛むのかお話ししていきます。

腰周りの筋肉や、筋膜が原因で起こる腰痛

kosikinniku.jpgこちらの図は、腰を支えている筋肉の一部です。腰は、この他にも背中や脇腹などの筋肉が、何重か重なって支えています。これら腰を支えている筋肉や、筋膜が傷つくと痛みが起こります。中腰の姿勢や、立ちっぱなし、座りっぱなしが続くと腰の筋肉が緊張が強くなって痛みが起こります。

筋肉・筋膜は、急激に伸ばされたりすると傷つくことがありますから、重いものを持った時などに起きるぎっくり腰の原因にもなります。

筋膜は、筋肉どうしがスムーズに伸び縮みできるように、筋肉の周りを覆っている膜です。筋肉の緊張が強くて硬くなっていたり、激しい動きが続くと擦れて炎症を起こして痛みが起こります。

この場合は、炎症の強さによって痛みの強さも変わってきますから、ぎっくり腰のように強い痛みの場合もあれば、軽い痛みで2、3日で治る場合もあります。

筋肉の緊張が強くなって起きる腰痛は、慢性的な腰痛や腰の張りの原因になりますが、無理が続いたりして緊張があまりに強くなると、朝起きた時に起きられないような痛みが出ることがあり、これもぎっくり腰の一種です。

骨や関節が原因で起こる腰痛

sekichuu2.jpg背骨は脊柱といって、椎骨という骨がいくつも重なって柱のように並んでいます。脊柱は、首の部分を頚椎、背中の部分を胸椎、腰の部分を腰椎といい,横から見ると全体がゆるやかなS字に並んでいます。

このゆるやかなS字が、スプリングの役目をして重みや衝撃を緩和しているのですが、日頃の姿勢などによって歪んでしまうと腰や首などに痛みが出ます。

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縦に並んだ背骨の骨と骨の間には、椎間板というクッションがありますが、骨の並びが歪んでくるとこのクッションが潰れて間が狭くなり骨どうしがぶつかり合ってしまうことがあります。

なんどもぶつかり合っていると骨が変形して、背骨を通る神経を刺激して痛みが出ます。

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背骨を形作っっている一つ一つの骨は、それぞれ上と下で関節でつながっています(下の図の矢印のところが関節になっています)。その関節の部分の骨が折れてしまい不安定になって痛みが出る症状を「分離症」といいます。

そして、関節の部分の骨が折れてしまったことで骨自体がずれてしまい痛みが出る症状を「すべり症」といいます。腰の骨は、背骨全体のS字の形から前側(お腹側)にカーブしているので、前側にずれていきます。

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分離症や滑り症以外でも、関節が激しい動きなどで炎症を起こしたりすると痛みが出ますが、この場合腰の他に足の付け根やお尻の周りにも痛みが出ルことがあります。

骨はただの塊ではなく、たくさんの繊維が網の目のように張り巡らされたような構造をしていて、この網の目の密度のことを骨密度といいます。骨密度が低下す下状態を「骨粗鬆症」といいます。

骨粗鬆症になると、骨がもろくなって骨折しやすくなったり、ひどくなると体を支えることができなくなってしまいます。骨粗鬆症は高齢者に多く、尻餅をついた時などに背骨が潰れてしまう「圧迫骨折」の原因にもなっています。

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骨盤は、仙骨を寛骨が挟むようにして形作られていて、仙骨と寛骨のつなぎ目を「仙腸関節」といいます。これは、寛骨がもともとは「腸骨」「坐骨」「恥骨」の3つの骨がくっついて出来たもので、仙骨とつなぎ目が腸骨の部分にあたるので、仙骨と腸骨でできた関節というところから仙腸関節とよびます。

kotuban1.jpg仙腸関節に、出産やその他の原因で大きな負担がかかり炎症が起きると痛みが出ます。仙腸関節は、体を起こしているときに上半身の重みを受け止めているところなので、横になって体重がかかららないようにすることで痛みを軽くすることができます。

また、生ゴムのベルトを骨盤周りにしっかりと巻いて、骨盤を安定させることでも痛みを軽減できます。腰の痛みには、筋肉、骨・関節の痛みの他に神経の痛みがあり、代表的なものに「坐骨神経痛」があります。

坐骨神経は、腰の下の方や仙骨から出た神経が束になってできたもので、坐骨でできた穴を通るので坐骨神経といいます。左の図でいうと、坐骨と仙骨の間にある尾骨が突き出ている部分にできた大きな穴です。

坐骨神経痛では、腰には痛みがなく足が痛むというケースも多くみられます。ですが、もともと腰や仙骨から出ている神経なので、腰のヘルニアや骨の変形、骨盤の歪み、お尻の筋肉の緊張などが原因に考えられます。

足が痛くても、坐骨神経痛の痛みの場合は腰、骨盤周りへの施術が必要になってきます。

 

腰痛の鍼灸治療

鍼灸といえば腰痛というイメージがあるように、杏の樹鍼灸治療院でも腰痛の患者さんがたくさん来院されます。当院は整体の施術は行なっていないので、骨の歪みやズレなどは治せませんが、歪みやズレが緊張した筋肉に引っ張られて起きている場合は、その筋肉の緊張を緩和することで改善することができます。

杏の樹鍼灸治療院の腰痛治療には、筋肉の緊張を和らげる、血流を良くして改善を早める、炎症を抑える、温める、熱を散らすなどの効果があります。施術は、東洋医学の経絡やツボの効能はもちろん、上の方にも紹介しているような腰の周りの筋肉も考えて施術しています。

施術に際しては、温めた方が良いのか冷やした方が良いのか、患部に直接鍼を打った方が良いのか患部は安静にして遠隔から治療をした方が良いのか、患者様の体の状態を診察してから治療方針を決めます。治療方針が決まったら、それに従って鍼、灸、吸い玉などを使って施術していきます。

鍼やお灸は、免疫力にも影響があるということが研究で報告されています。免疫細胞には、ヘルニアの飛び出した部分を解消してくれる作用があります。このように、鍼灸の腰痛治療では、みなさんに知られているような筋肉の緊張を和らげたり、血流を良くしたりする以外にも色々な効果が期待できます。

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治療の効果は、腰痛の状態によってまちまちで、急性のものはよほど酷くない限り1?3回くらいで改善します。反対に慢性のものは、一旦良くなっても疲れが溜まったり、冷えなどの環境の変化でまたぶり返しますので定期的なメンテナンスが必要です。

腰痛の鍼灸治療に使われる腰周りのツボ

1155227.jpg腎兪(じんゆ)は、腰の骨、腰椎の2番目と3番目の間のところから、指3本分くらい外側にあります。志室(ししつ)は、腎兪からさらに指3本分くらい外側にあります。

大腸兪(だいちょうゆ)は、腰椎の4番目と5番目の間のところから、指3本分くらい外側にあります。

腎兪、志室、大腸兪は、骨盤の少し上ベルトの高さにあり、上の方の画で紹介している「腰方形筋」や、背骨を立たせておくのに重要な「脊柱起立筋』といった筋肉があるあたりにあり、東洋医学的にも、西洋医学的にも腰痛の治療には重要な位置にあるツボです。

杏の樹鍼灸治療院では、腰痛治療において効果に大小はありますが、9割以上の患者様に改善がみられています。腰痛でお悩みの方は、川崎市溝の口の杏の樹鍼灸治療院にご相談ください。