便秘について
あなたはどっち？便秘の大きな2つの原因
便秘には、大きく分けて2つの原因があります。
1つは、腸や肛門などに病気やその他の異常があって便が通過できなくなって起きるもの。
そしてもう1つは、臓器が傷ついたり腫れたりなどの異常はなく働きが悪くなることで便を送ることができなくなって起きるものです。
腸の異常には、腸管の癒着や腸閉塞などがあり、病気には大腸がんなど命に関わるような重いものもあります。
腸は、普段便を肛門の方に向かって送るように動いています。腸が正常に働かなくなると、便が送られなくなって便秘となります。
腸が正常に働かなる原因の一つに、ストレスなどの精神的な負担が考えられます。内臓の働きには自律神経が関わっているため、ストレスや緊張で自律神経が乱れていると正常に働かなくなることがあります。
その他の原因では、加齢や長期間の病気療養、出産などによる筋力の低下、便意を我慢する習慣などがあります。
便秘の解消
病気が原因になっている場合には、原因になっている病気を治療しなければいけません。便秘の原因にる病気の中には、激しい痛みや、血便が出たりするものがあり命に関わる場合がありますから、専門医による診察と検査を受けてください。
便は、腸の運動によって肛門に送られ、肛門の手前である程度貯まると便意を感じ、肛門の周りの筋肉を緩め「いきむ」ことで排便をします。便意が強いときや下痢のときは、肛門の周りの筋肉を緩めるだけでも排便されます。
加齢や病気などで体が弱っていると、腸の運動が少なかったり、便を押し出す力が弱かったりして便秘となることがあります。腹筋やウォーキングなど、少し体を動かすことも解消法の1つです。
トイレに行きたいのを我慢する習慣のある人は、それが続くと便意はあるのにトイレに行っても便が出ないようになってしまうことがあります。これを改善するには、毎日決まった時間に排便をする習慣をつけるようにすることです。
私たちの内臓は、自律神経によって調整されているので、自律神経が乱れると内臓の働きに大きく影響します。
私たちは、スポーツなどに熱中しているときなど興奮状態のときは、あまり便意を感じません。トイレに行っても、精神が興奮している状態だと中々出ないものです。心がリラックスして、体の力が抜けている状態の方が排便はスムーズにできます。
ストレスなどで自律神経が正しく働かなくなると、この切り替えができなくなってトイレに行っても興奮状態のままになり、スムーズな排便ができなくなります。
自律神経のバランスを整えるには、温冷浴や、アロマなど色々な方法があり鍼灸もその1つですが、大切なのは自分に合った方法で焦らず根気よく続けることです。
便秘の鍼灸治療
便秘で鍼灸治療の効果が期待できるのは、腸の働きが悪くなって起きる便秘です。他の病気が原因になっている場合でも、鍼灸の適応範囲内であれば効果は期待できますが、大腸がんのように命に関わるような重い病気は病院に行くべきです。
便秘の主な原因には、腸の働きの低下と水分の不足があり、それぞれにはストレスなどの精神的な負担、体力の低下、熱、冷えが影響しています。
体の働きを「昇・降・出・入」という言葉で表しています。便秘は「出」の働きが悪くなっている状態で、「出」の働きが悪くなる原因には、ストレスなどの精神的な負担、運動不足、体力の低下、冷えがあります。
水分の不足は、熱が原因です。熱といっても、風邪をひいたときなどに出る熱ではなく冷え症の反対のような症状です。このような症状は辛いものをよく食べる人に多く、体の内側の熱が高くなると水分が失われるため便秘の原因になります。
便秘に鍼灸治療でよく使われるツボ
「天枢」（てんすう）というツボは、おへその両脇にあるツボで、おへそから大体指3本分くらい外側にあります。
大腸の調子を整えるツボで、便秘だけでなく下痢など大腸に関するトラブルの全般によく使われるツボです。
おへそと、みぞおちの間にある「中脘」（ちゅうかん）という胃のツボと一緒に使うことで、胃腸の調子を整えるのにも使われます。
「上巨虚」（じょうこきょ）というツボは、スネの筋肉上にあるツボで、膝のお皿の下と足首の間の中間よりやや上にあります。
こちらも大腸の調子を整えるツボで、上の「天枢」や腰にある「大腸兪」というツボと一緒に使うことでより高い効果が期待できます。
「大腸兪」（だいちょうゆ）は、腰に手を当てて触れる骨盤の骨の上の淵の高さで、腰の骨から指3本分くらい外側にあります。
大腸兪という名前からも分かるように、こちらも大腸の調子を整えるツボで、上にあげた「天枢」や「上巨虚」と一緒に使うことでより高い効果が期待できます。
