尿が濁る症状について
尿の濁りは、尿の中の細胞成分や結晶成分が増えたり、脂肪成分が混じったりしていることが原因として考えられます。
膀胱、腎臓、尿道、前立腺などに感染症があると、尿の中に細菌や白血球などの細胞成分が混じります。また、炎症に伴って出血があったり、結石で尿路が傷ついていたりすると、尿に血液が混じる血尿になります。
ほうれん草や、ココア、バナナなどシュウ酸が多く含まれている食べ物や、肉類、卵、乳製品などの動物性たんぱく質を多く含む食べ物を摂りすぎると、尿の中にシュウ酸カルシウムができやすくなって尿が濁ることがあります。この濁り自体は問題ありませんが、シュウ酸や動物性たんぱく質は、摂りすぎるとシュウ酸カルシウム結石ができる恐れがありますから注意が必要です。
骨盤から下のリンパの流れが悪くなると、行き場のなくなったリンパ液が尿の方に流れ込むため尿が濁ります。リンパ液が混じった尿は、リンパ液に含まれている脂肪のために表面に油が浮かびます。
予防法
細胞成分が原因の場合は、ほとんどが最近の感染によるものです。中でも、膀胱炎や尿道炎は、泌尿器周りを清潔に保つこと、性感染症では対策をしっかりすることである程度は防ぐことができます。
決勝成分が原因の場合は、食べ物に注意をすることで防ぐことができます。シュウ酸、動物性たんぱく質、プリン体を多く含むものを摂りすぎない。クエン酸やマグネシウムを摂るようにする。クエン酸やマグネシウムには、カルシウムの濃度を下げる働きがあります。クエン酸は柑橘類、マグネシウムは緑黄焼野菜や大豆などに多く含まれています。
尿混濁(尿の濁り)の鍼灸治療
東洋医学では、尿のトラブルの多くは、”熱”と”胃腸や腎の機能の低下”が原因と考えられています。
東洋医学では、熱には身体の外から入ってきた邪気が原因のものと、身体の中で発生するものがあると考えられています。
前者は、現代の医学に例えると細菌やウィルスに感染して出る熱で、体のどこかに炎症が起きている状態です。後者は、ストレスなどで心に負担がかかったときに発生するものです。
心に負担がかかったときに身体の中で熱が発生するというのは、東洋医学特有の考え方で解りにくいかもしれませんが、漫画でイライラしたときや怒ったときに、頭から湯気が出ていたりするのを思い浮かべてもらうとなんとなく解ると思います。
胃腸や腎の機能の低下は、高齢者や病気で寝たきりの人など体が弱っている人によく見られます。
杏の樹鍼灸治療院の症例
30代男性
最近になって、尿が米のとぎ汁のように濁っていることに気づいて病院で検査を受けたが腎臓、膀胱に異常はみられず原因は不明とのことで、鍼灸治療を希望。
診察の結果、色白で痩せ型の体型(身長162cm 体重49Kg)、めまい、立ちくらみ、のぼせなどの症状がたまにみられる、食欲が低下することがある、下痢をしやすいなどの身体の状態から、胃腸や腎の機能が弱いことが原因とみて治療を開始。
2回の施術で尿の濁りは無くなったが、弱っている胃腸と腎の改善のために以降も施術を続け、合計9回で全般的に体調も良くなり施術を終了した。
膀胱のトラブルによく使われるツボは、「頻尿について」のページを参照してください。