頭痛について
いろいろな種類の頭痛〜原因と対処法
頭痛には、頭痛そのものが病気である一般的に言われている”頭痛”と、他の病気が原因で起きる頭痛があります。
一般的な頭痛には、症状の出方や原因によっていくつかのタイプがあり、代表的なものに”緊張型頭痛”、”片(偏)頭痛”、”群発頭痛”があります。
頭痛は、どのタイプもはっきりとした原因はわかっていませんが、それぞれに特徴とそこから考えられる原因があります。
頭痛の種類
緊張型頭痛
- 頭全体や頭の後ろが締め付けられるように痛む
- 目の疲れや首、肩にコリがある
- ほぼ毎日、慢性的に痛みがある
- マッサージやストレッチ、入浴などで楽になる
緊張型頭痛は、疲労やストレスが溜まっている人や、首、肩、背中にコリがある人に多くみられます。精神的な疲労や緊張が続くと、頭や首、肩、背中の肩甲骨の間の筋肉の張りが強くなりがちです。責任のあるポジションにいる人、たくさんの人の前に出る仕事をしている人、接客業のように不特定多数の人と触れ合う機会の多い人などによくみられます。
また、首の骨の両側には脳に血液を送る血管が通っています。首の筋肉が硬くなっていると、血管を締め付けてしまい血液の通りが悪くなって、頭痛やめまいを起こす原因になります。
このように、緊張型頭痛は首や肩、背中の筋肉のコリで血管が締め付けられて、血液の流れが悪くなって起きます。適度な運動やストレッチ、鍼灸、マッサージ、入浴などで血流を良くする、なるべくリラックスするようにして、睡眠を十分にとることなどが有効な対処法です。
片(偏)頭痛
- 頭の片側または両側が痛む
- 脈拍に合わせて、ズキズキと痛み、悪化すると吐き気をともなう
- 目の前がチカチカしたり、光や音で症状が悪化する
- 痛みは発作的に現れ、数時間から2、3日続く
片頭痛は、血管が拡張して周りの神経を刺激して起きるといわれています。
痛みが起きたら、血管が締め付けられて起きる緊張型頭痛とは反対に、マッサージ、入浴、アルコールなど血流を促すようなものはやめて、痛むところは冷やして血管を収縮させるようにしましょう。運動も血流が促進されるのでやめて、安静にするようにしましょう。
普段痛みの発作のないときは、適度な運動で汗を流すなどしてストレスを溜めないようにする、規則正しい生活を心がけることなどが主な対処法です。
群発頭痛
- 片側の目の奥が、えぐられるように激しく痛む
- 目が充血したり、涙が出たりする
- 睡眠中、特に明け方激しい痛みで目が覚める
- 1ヶ月くらいの間、ほぼ毎日痛み、30分〜2時間続き自然に治まる
群発頭痛も、片頭痛と同じように血管が拡張して起きる頭痛です。群発頭痛では目が充血したり、涙が出たりしますが、これは目の後ろにある血管が拡張して起きると考えられています。
群発頭痛も、血流を良くするようなことは避けてください。そして、発作が起きたら病院に行きましょう。
以上のほかに、緊張型頭痛と片頭痛の両方の症状を併せ持つ”混合型頭痛”があります。
他の病気が原因の頭痛には、脳出血、クモ膜下出血、脳腫瘍、髄膜炎など生死に関わる病気の兆候である場合があります。下記の症状が出た場合には、直ちに病院に行き、医師の診察を受けてください。
- 今までに経験したことがないような、激しい
- 意識が朦朧とする、手足が動かしにくい、痺れるなど
- 呂律がまわらない、言葉がしゃべりにくい
頭痛の鍼灸治療
上にあるように頭痛にも色々なタイプがありますから、頭痛に対する鍼灸の施術もそれぞれのタイプに合わせて行います。
筋肉が緊張して起こる頭痛には、筋肉の緊張を和らげ血流を改善するために頭、首、肩、背中のツボに鍼を打っていきます。血管が拡張して起きる頭痛には、血管の興奮状態を抑えるために、手や足のツボに鍼を打っていきます。
人の頭には、たくさんのツボがあります。頭の横が痛む場合は「太陽」(たいよう)「曲鬢」(きょくびん)、前頭が痛む場合は「頭維」(ずい)「陽白」(ようはく)、頭の後ろが痛む場合は「天柱」(てんちゅう)「風池」(ふうち)、目や目の奥が痛む場合は「攅竹」(さんちく)「風池」などがよく使われます。これらのツボに、頭痛の症状に合わせて手足やお腹、背中のツボを加えると効果的です。